毛穴が詰まる・黒ずむ・開いている。
あの人の肌は自分と違って、キメ細かくなめらか。そして毛穴が目立ちにくいはなぜ?
肌の綺麗なモデルやインフルエンサーが使うスキンケアを片っ端から試すも、なかなか毛穴目立ちが解決しない。毛穴が消える・ごっそり・溶ける系のパッケージに釣られて、色々試したけれどまるで効果が無い私たちへ。
ここでは、十年以上悩まされてきた毛穴問題を解消し、晴れてすっぴん肌を整えて脱ファンデすることができた私が、毛穴問題について解説したい。
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毛穴トラブルが改善しない理由を解明!
まず最初に伝えたい。
毛穴トラブルが長期間改善しないことで、高額なコスメやSNSで話題のバズリコスメ、フェイシャルエステに課金してしまいがちではないだろうか?残念ながらこれは決して正解であるとは言えない。
そもそもの毛穴が目立つ原因を排除しないことには、化粧品や施術の効果によって一時的に毛穴が目立たなくなったとしても、同じ生活を続ければまた毛穴目立ちが復活する羽目になる。
これは私自身も何度も経験してきたことでもある。目先の耳障りの言い広告に釣られないで!
そもそも、毛穴トラブルが改善しない理由とは?
解決への糸口は、まずその原因を突き止める事から。
だが、毛穴が目立つ原因はそもそも、一つに絞り切るのが難しい「未解決事件」なのである。原因と言えば、生活習慣から不適切なスキンケア、遺伝、ホルモンバランスの乱れ、加齢、ストレスなど、さまざまな要素が多岐にわたる。
まず最初に取り組むべきことはコスメ選びよりもまず、「自分の毛穴の状態を正しく理解する」ということ。
原因を知るために自分の毛穴タイプを理解しよう
「毛穴が目立つ」と一言で言っても、その状態は実に様々。毛穴の状態によってスキンケアの方法や必要なアイテム、不必要なケアが全く異なる。
適切なスキンケアを行うために、自分の毛穴の状態を以下のように分類してみよう。
- 詰まり毛穴:角栓が詰まることで毛穴が目立つタイプ
- 黒ずみ毛穴:酸化した角栓やメラニンの蓄積によるタイプ
- 開き毛穴:皮脂分泌や肌のたるみが原因で毛穴が広がるタイプ。
毛穴の中の何かを取り除く事に翻弄される事無かれ。まずは自分の毛穴と向き合うことから。
詰まり毛穴の正体は角栓!その原因と見分け方
詰まり毛穴とは、毛穴に角栓が詰まることで目立つ状態を指し、以下のような特徴がある。
- ベースメイクをすると毛穴がポコッとする凸
- お風呂上りや洗顔後、小鼻の周りに白いものが浮き出ている
- ピンセントでつまんだり、タオルで擦ると簡単に取れて毛穴のポッカリ穴が目立つ
これらの角栓は、タンパク質70%と油分30%で構成されており、主にターンオーバーの乱れや皮脂の過剰分泌によって発生する(1)。
過剰な洗顔や毛穴パックなどのケアが、逆に肌の乾燥や炎症を引き起こし、ターンオーバーの乱れを悪化させている可能性もあるため注意が必要。
お風呂上りはふやけて白く浮き出た「詰まり」をタオルでゴシゴシやっている人!今すぐ辞めて!
なぜ角栓が出来るのか?
角栓が出来やすくなっている肌には以下の特徴が見られやすい。
通常、私たちの肌はターンオーバーという28日~45日周期で肌の細胞が新しいものへと生まれ変わる生理機能によって循環している。
しかし、様々な原因でこのターンオーバーが乱れてしまうと、通常よりも早い段階で、新しい細胞が未だ出来上がっていないのに角質が剥がれてしまう現象が起き、これによってお肌は慌てて新しい細胞を作ろうとして、「未熟な角質層」が量産されてしまうという事態が勃発する。
これを異常角化と言う。毛穴詰まりが起きている肌には、異常角化によって、未熟な角質層が毛穴に詰まり角栓となっている可能性が極めて高い。
異常角化が起きてしまう原因
ターンオーバーが乱れる=長くなる原因には、喫煙や睡眠などの生活習慣・加齢・紫外線など様々な問題が複雑に絡み合っていることが明らかとなっているが、ターンオーバーの周期が逆に早くなって起きる異常角化については、間違ったスキンケアによって与える肌負担が要因であると考えられる。(2)
これによって、毛穴周りの皮膚が炎症を起こすことで肌の生理機能が働き、通常よりもターンオーバーを異常に早めてしまっているという可能性が一つ考えられる。
また、化粧品メーカーであるKOSEの研究では、肌の乾燥によっても角栓が出来やすくなる構造が出来上がるという。
角質同士は「手」(コルネオソームという細胞間内構造物)をつないでいます。剥がれ落ちる際には、この繋いだ手を離し、古くなった角質はアカになって剥がれ落ちていきます。その手をスムーズに離すために働いているのが酵素なのですが、酵素は「水」がなければ働きません。乾燥して水分不足の角層では、酵素は働かず、そのため手は離れず、繋いだままになります。つまり、角質が未成熟化して積み上がってしまうのも「乾燥」が原因であり、そして積み上がった角質同士の繋いだ手が離れないのも「乾燥」が原因なのです。
https://maison.kose.co.jp/article/g/gskincare-20190726/
角栓を除去するために洗顔を頑張ると肌は乾燥し、詰まりが排出されにくい状況に陥っているというパターンも!
角栓は一度出来ると出来やすい無限ループに
人は一度角栓が詰まると、徹底的に除去しにかかる。洗顔やクレンジングに力を入れて、スキンケアに死に物狂い。
しかし、この角栓ケアルーティンが逆に角栓を増殖させる、という負のループに陥っている可能性があることを早急に知ってほしい。
老舗化粧品メーカーである資生堂の研究では、異常角化が起きている肌はそうでない肌と比べると毛穴がすり鉢状の形状をしており、皮脂(不飽和脂肪酸)の分泌量も比較的高い傾向に見られるというデータを発表している。さらに、健康な肌に不飽和脂肪酸であるオレイン酸を塗布すると、キメが乱れて異常角化のトリガーになるということが判明。
つまり、角栓や毛穴トラブルをケアしようとすればするほほど、
- 角栓が出来る
- 必死に除去しようとする
- 毛穴周りの皮膚に負担、傷つく
- 肌が肌を守ろうとターンオーバーを異常に促進
- 潤いを持たない、不揃いで自ら剥がれ落ちる機能を失った未熟な角質層誕生
- 毛穴に詰まる
- ↑1からの繰り返し
という、負のループに陥ってしまっている可能性が高い。
詰まり毛穴を解決するために必要なこと
肌の柔軟性が低下し、乾燥している肌こそ角栓は出来やすい。角栓の無いモチモチとした肌を想像してみてほしい。うるおいに溢れ弾力に満ちた肌は、詰まりにくい上に日々のクレンジングや洗顔にて角栓が出来たとしても排出されやすい。
私たちが目指すのは、「取り除く」ことに注力するのではなく、詰まりにくい肌を目指すこと。その手段として重視すべきは保湿と肌負担の徹底排除から。
それぞれの詳細は下記記事にて解説しています!ぜひお読みください。
とりあえず何使えばいい?という人へのヒント
黒ずみ毛穴には種類がある?原因と見分け方
黒ずみ毛穴は以下の3つに分類できる。
- 角栓の黒ずみ毛穴:毛穴に詰まった角栓が酸化し、黒ずんで見える
- メラニン毛穴:メラニンの蓄積によって起きる色素沈着
- 産毛毛穴:産毛によって毛穴が黒く見える
この中で最も多いのが「角栓の酸化」。
適切なスキンケアを行わないと、角栓が排出されず毛穴の中で酸化し、黒ずんで見えるようになる。また、摩擦や紫外線ダメージが原因となるメラニン毛穴は、摩擦レスなケアと徹底的な紫外線対策が重要である。
触るとザラザラ。角栓黒ずみ毛穴の原因と解決策
- 毛穴が黒ずんでいる&詰まっている
- ベースメイクをするとポコッと目立つ凸
- ファンデーションによってはカバーしきれない
角栓黒ずみ毛穴のそもそもの原因は、先ほど毛穴詰まりのメカニズムで解説したようにまず、角栓が出来てしまうこと。
根本的なメカニズムや対策方法は角栓による毛穴詰まりと同じであるが、詰まった角栓を除去する→また角栓が出来る、といった角栓が大量生産される毛穴詰まりとは違い、角栓が取れずにとどまる事によって起きていると考えられるのが角栓黒ずみ毛穴。
なぜ黒ずみ角栓が居続けるのか?
- 肌の水分量が低く柔軟性に欠ける為、詰まった角栓が排出されにくい
- ターンオーバー周期が滞り肌の入れ替わりが上手く機能せず
- クレンジングとベースメイクの相性が悪い
どのメカニズムで黒ずみが起きているかは断定しにくい、原因を仮定しそれに見合ったケアを一つずつ実践するのが解決への道!まずはこちらから一つずつスキンケアの見直しを。
ベースメイクとクレンジングの関係性
少し前までは、メイクがするっと落ちやすいオイルクレンジングが実は必要なお肌の潤いまでをも除去するから悪である、という説が浸透していた。
よって、クレンジングは肌負担の少ないミルクやジェルが良いと美容雑誌やSNSなどで取り沙汰されているが、クレンジングの種類に重点を置くよりも実はクレンジングとベースメイクの相性に重点を置く必要があるということを留意してほしい。
皮脂で落ちにくい、皮脂崩れ防止系の最強ファンデや化粧下地は、皮脂=油でも落ちにくいのだから、ミルクやジェルで完全に落ちるとは考えにくい。クレンジングオイルでさえも、肌負担の少ない天然成分由来の油脂系のクレンジングオイルなど、モノによっては落ちにくい。
毛穴詰まりをケアするには、そもそも自分の使っているベースメイクとクレンジングの相性を理解することが必要不可欠である。詳細は下記を参照してほしい。
茶色っぽい・・・?メラニン毛穴の原因と解決策
- 角栓ケアや黒ずみケアなど、ケアをしてるのに毛穴が目立つ
- 毛穴自体には詰まりを感じない
- 黒いというより、毛穴自体が茶色っぽく見える場合も
黒ずみ毛穴の中でも、最も厄介なのがメラニン毛穴。
実際には、汚れが詰まっているわけでも無いのに毛穴周りの皮膚がメラニンによって色素沈着してしまい、必然的に毛穴が黒ずんで見えるタイプ。
なぜ毛穴周りの皮膚が色素沈着を起こし、毛穴が黒ずんで見えるのかというと、通常私たちの皮膚は、紫外線や摩擦・皮脂の酸化等の外的刺激を受けることによって、これに反応したメラノサイトが皮膚を守ろうとメラニン生成が過剰に行われるという生理機能が備わっている。
シミ・そばかすは、まさしく紫外線の影響でメラニンの生成が過剰に行われ、メラニンが皮膚の上に出てきているという状態。
また、下着の擦れによって下着のライン下にある皮膚が周りの皮膚と比べて黒ずんで見えたり、ニキビ跡が茶色っぽく見えるのも、摩擦による外的刺激によってメラニン生成が盛んに行われて起きる色素沈着なのだ。
つまり、紫外線だけでなく摩擦過多もメラニン毛穴の原因に!
間違ったスキンケアがメラニン毛穴を加速させる?
自分の毛穴の黒ずみが気になる、だから詰まりを取ろう、黒ずみを除去しようと、本当はメラニン毛穴であるのに何かが詰まっていると勘違いして必要以上に毛穴に負荷をかけるスキンケアを繰り返してしまう事例が後を絶たない。
これによって、スキンケアによる摩擦という外的刺激を受けた毛穴周りの皮膚は、改善されるどころかさらにメラニンの過剰分泌を促すことに繋がる可能性が極めて高い。
これって毛?産毛毛穴タイプと解決策
- 毛穴内部の黒いものを取ろうとしても取れない
- 角栓ケアや黒ずみケアなど、ケアをしてるのに毛穴が目立つ
結構多いのがこれ。元々手足の体毛が太く濃い人や毛深い人が毛穴の黒ずみに悩んでいる場合、産毛毛穴の可能性が高い。
汚れが詰まっていないのに、必要以上に毛穴ケアに徹することで、皮膚に負担を与えてメラニン毛穴へ移行するケースも考えられるので注意したい。
これは簡単で、顔脱毛をすれば解決するケースが多いよ!
開き毛穴にも種類がある?原因と見分け方
何も詰まってはいないけど、毛穴の開きが気になる。毛穴ケアをしているけれど、開きが改善されない。
そんな毛穴の開きの種類と原因は以下の通り。
- たるみ毛穴:肌のハリ感が低下することによって起こる
- 開き毛穴:皮脂分泌の過剰によって起きる
- 開き毛穴:過剰な毛穴ケアの繰り返しによって起こる
たるみ毛穴の原因と解決策
- ポッカリ丸く開いているというよりも、毛穴が楕円形に開いている
- 皮膚を伸ばしたり、顔を上向きにして鏡を見ると毛穴の開きが目立たなくなる
皮膚を引っ張ってみると毛穴が目立たなくなる、というなら皮膚のハリ感低下によって毛穴が開いてしまうたるみ毛穴の可能性が考えられる。
肌のハリ感が低下し弾力が失われる原因は、加齢はもちろんのこと、皮膚の乾燥・紫外線ダメージ・摩擦等によって、肌内部のコラーゲン自体が減少し、肌にハリがなくなって毛穴がゆるんでしまう可能性が第一に考えられる。
様々な要因が複雑に重なっておきるたるみ毛穴。やはり肌への摩擦や乾燥はクリアにしておきたいポイント。
皮脂も気になる。開き毛穴の特徴と原因
- 毛穴が丸く開いており皮脂分泌が過剰
- 小鼻だけでなく頬も開きやすい
原因はただ一つ、皮脂の過剰分泌が原因によって起きる開き毛穴である。
では、皮脂の過剰分泌ってなぜ起こる?皮脂で毛穴が開く原因は?
ぽっかりすり鉢状に空いた毛穴のことをすり鉢毛穴と呼ぶ。これも、さまざまな要因が重なった故の毛穴目立ち。
逆に毛穴が目立たない肌ってどんな肌?
毛穴トラブルの原因を知ることが出来たら、逆に毛穴の目立たないいわゆる毛穴レス肌ってどんな肌だろう?と想像してみてほしい。
- 肌の水分量が多い
- もっちり・ぷりっとしている
- 触ると柔らかい
- ハリ感・弾力がある
こんな肌ならば、ちょっと毛穴が詰まったところでちゃんとクレンジングや洗顔で排出されるし、そもそも毛穴周りの肌に弾力があるので詰まりにくい。
では自分の肌と比べると何が足りない?洗顔やクレンジングを頑張っても毛穴汚れが上手く取れないのは、なぜ?肌に柔軟性はあるか?乾燥してないか?
毛穴が詰まりにくく、汚れが排出さえれやすい、毛穴の目立たないなめらかな肌に近づくために何が足りてなくて何が余分なのか?
毛穴に良いとされる商品をインターネットで検索するよりも先にすべきなのは、自分の肌状態を良く知る事である。
結論:毛穴自体をどうにかするのではない
毛穴をどうケアするか、という概念に翻弄されて闇雲に、毛穴ケアできる・ごっそり取れる・角栓溶かす、といった強めワードのコスメパッケージに振り回され今日も落胆する私たちへ。
毛穴をどうにかするという頭を一度リセットして、自分の肌や毛穴はどんな風になっているのか・何が原因でこれが起きているのか・克服するために何が必要かを見極めた後で、毛穴ケアに最適な美容成分やコスメを選択していこう。
結果を急ぎ、手順を早めると、思わぬドツボにハマる場合がある。
自分も、あーこれは角栓が詰まっているから取り除かなくちゃ→また出てくる→ケアがエスカレートする→気付けば乾燥が進み油分過多で毛穴が開いてしまうという負のループに陥ってしまった経験がある。
自分の毛穴を誤解して、スキンケア方法を間違うと取り返しのつかないことになる可能性も。
一旦落ち着いて、SNSでの毛穴バズリコスメの囁きに乗るのは辞めて、鏡と向き合うことから始めてほしい。
健闘を祈る。