人は広告宣伝に打たれ弱い。
加工後の毛穴レス女優が化粧瓶を掲げているだけで、自分もその瓶の中の謎の水を浴びれば同じような肌質になると信じ込む。
使用を続けて効果が無くとも、効果が出ると信じて使用を簡単に辞める事ができない。
悪い男に騙されていても、最後にはきっと自分が正しかったと思いたくてなかなか関係を断つことが出来ない、これには全て一貫性の法則が働いている。
塗るな触るな擦り過ぎるな。
今回は肌をきれいにするために、今していることの9割が無駄になるかもしれないというお話。
こんなにしているのに、一向に肌が改善されない!
何を信じていいのか分からない!
そんな私たちの肌悩みの原因は、スキンケアのやりすぎにあった。
様々な美容法に振り回される人々へ
- 「オイルクレンジングは肌が乾燥するからミルクに」
- 「いや、ベビーオイル洗顔が肌にはいいらしい」
- 「しかしベビーオイルは水で流せないからニキビ肌には不向き」
- 「日本人は、洗いすぎだから朝はぬるま湯洗顔で」
- 「しかし、皮脂の酸化がうんたらかんたらだから朝は必ず洗顔料を使おう」
私たちはただ単に、肌を今よりもきれいにしたいだけなのに、なぜこれほどまで様々な美容情報に振り回されなければならないのだろう。
お肌は人によって千差万別。試さないと分からないのがナンセンス。
それは哀しいことにギャンブルと同じ。労力も時間も金も全て浪費するのが美容の落とし穴である。
美容に限らず嘘と誠が常日頃混在するインターネット上で今日も迷子になっている私たちへ。
「何もしない」に近い事が、全ての肌悩みが解決するかもしれないという衝撃の事実を紹介する。
やらなきゃいけない、という呪縛から逃れて肩の荷が下りた。
スキンケアは本来、やらなくてもいいように私たちのお肌は出来ている。
現代美容に一石を投じる本「美容常識の9割はウソ」から学ぶスキンケア
「美容常識の9割はウソ」とはその題の通り、私たちが当たり前だと思い良かれと思って行ってきたスキンケアが、実は肌を傷める原因となっていたかもしれないという悪夢のような美容本である。
この本には、形成外科医で再生医療を専門とする著者が化粧品の効果や美容法について嘘とホント、また再生医学の面から最短で美肌へ導く科学的エビデンスの取れた確実な方法を明記している。
化粧品を買い漁り、根拠のない美容法を試し疲れて茫然自失状態から抜け出すには、正しい知識を身に付ることが必要だ。
そして膨大な情報量の中から信用できるもの、できないものを吟味するには様々な分野から知識を得る事。
一つを妄信しては足元を救われる。
「美容常識の9割はウソ」で紹介されている辞めるべきスキンケアの一部を紹介するよ
化粧水はいらない
お風呂上りには化粧水。そして油分で蓋。
それは猿が木に登るように、高校時代からに美肌になる為に続けてきた当たり前の儀式である。
そして突然、猿は木から落ちる。
化粧水は肌に不必要、むしろ肌荒れを助長するという事実が美容界隈で数年前からチラホラ出始めている。
この本の著者も、美肌になる為に化粧水は必ず必須ではない、と説いている。
化粧水がいらない理由は下記の通り。
- 化粧水は角質層(肌の上たった0.02ミリの厚み、コンドームと同じ薄さ)にしか届かない
- 角質層は死んだ細胞の集合体なのでここに美容成分を入れても意味が無い。
- 化粧水を塗ってお肌がぷるぷるになるのは、角質層がふやけているから
- 角質層は構造上、ふやけたり傷つくことで容易に崩れる
- 角質層が傷つくと肌内部の水分を保つ天然保湿因子が流失しバリア機能が破壊される
- バリア機能が破壊されると、乾燥が進みいわゆるインナードライ状態へ
以上から、著者は化粧水をコットンでひたひたにパックしたり、肌が吸い込まなくなるまで馴染ませるなど、化粧水を浴びるように使う度に実は美肌から遠ざかっているのだというショッキングな事実を遠慮無しに読書に突きつける。
肌荒れや乾燥の原因の一つに、化粧水の塗り込みすぎという可能性を頭に入れておこう。
化粧水はいらない説。やっぱり有力だった。
医師である著者が言うと、説得力しかない。。。
洗顔のし過ぎが肌を劣化させる
私たちの肌は、思っているより有能であることを自覚しよう。
あれやこれやと手をかけ過ぎる前に、まず自分の肌本来の生理機能に託してほしい。
あれやこれやと餌を撒いて甘やかすのをまず辞めることはもちろん、汚い汚いと常にニキビや皮脂を毛嫌いし洗顔に注力する習慣を見直そう。
洗いすぎによる肌への影響について下記にまとめる。
- 通常、肌は常在菌によって水分と油分のバランスが保たれ、皮膚のバリア機能を担っている
- さらに新陳代謝によって、汚れや垢は角質と共に自然と剥がれ落ちる仕組みとなっている
- 洗顔のし過ぎはこれらの仕組みを破壊する
- よって本来、洗顔はお湯のすすぎのみで問題なし
しかし、現代人はメイクをしない日は無いといっても過言ではない。だからお湯のみの洗顔は不可能である。
そして出来ればクレンジングオイルなんかで洗った後は、すっきりさっぱり泡洗顔をしたところ。
W洗顔を即時に中止し、W洗顔不使用のクレンジングオイルを使用するが吉である。
そして朝はお湯のみ洗顔、もしくは皮脂の気になる部分だけ泡洗顔を。
乾燥肌や肌荒れが改善されない時、保湿を足すよりもまずは普段の洗顔から見直してみよう。
マッサージローラーを今すぐ捨てよ、擦るのをやめる
私たちの肌は有能であるが故に、思っているよりもデリケート。
少しの刺激が命取りとなる。
そこで著者が何度も注意喚起をするのが擦るな・触るな、である。
洗顔にしろ、スキンケアにしろ、肌に力を加えるのはあってはならない。
- 皮膚のバリア機能が崩れる原因は肌への刺激
- 擦らず・触らない ことがバリア機能を蘇らせる最善策である
- 老化の原因は摩擦と紫外線といわれている
- マッサージローラー、カッサは言うまでも無くご法度
- 肌刺激がシミ、黒ずみ、乾燥、たるみの元凶ともいえる
こっわ。
毎日コロコロフェイスローラー習慣が、逆にエイジングを加速させる原因になりかねない!
スキンケアに最低限、必要なものはこれ!
以上に紹介したように、肌荒れ・乾燥等の肌トラブルが改善されない場合は必要以上のスキンケアによって起きている可能性が懸念される。
ならばスキンケアを必要最低限に抑え、肌本来の生理機能を復活させながら足りない部分を補ってあげることが、美肌への近道となる。
何もしなければそれはただの老化に過ぎない。
美肌を目指し、それを維持するためには必要最低限、必ずやるべきことがある。
紫外線対策
夏でも冬でも。秋も、春も。必ず毎日日焼け止めだけは塗るべきである。
地球上にあるすべてのものは時間の経過と共に劣化する。それを阻止するのは紫外線対策が最重要。
老化の原因の8割が光老化と言われている。
太陽の光を侮るな。どんなスキンケアや美容医療も日焼け止めに勝るものは無い。
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保湿するなら化粧水以外の1アイテムを推奨
何もしなくても皮膚のバリア機能によって肌は正常に保たれる話は前に述べたが、現状を維持するなら保湿剤は使ったほうがいいと著者は言う。
それは化粧水のような水分でなく、なるべく皮脂に近い成分がいい。
油分の入ったクリームまたは美容液のどちらか一つを。
美容液だけでは乾燥するよ、という場合はクリーム&美容液の2アイテムまで。
- 複数のスキンケアアイテムは肌本来の機能を邪魔してしまう
- さらに様々な美容成分を複数使用すると効果が出にくくなる
- 自分に一番必要な成分をチョイスする
美容液やクリームは、自分のお肌に足りないもの・改善したい肌悩みに有効なものをチョイスしよう。
すぐに乾く乾燥肌にはセラミドを
毛穴悩み・シミ・美白に有効な成分はビタミンC
肌のシワ改善・毛穴にも有効なのはレチノール
スキンケアに疲れたら、まずはやめることから始めよう
- 様々なスキンケアや美容法を試しても肌悩みが解決しない人
- 膨大な情報に振り回された美容迷子に疲れ果てた人
足すではなく引くで解決することもある。
肌に合った方法を見つけれない人はまずやめることから始めよう。
また、お金も時間も労力も尽きて美容にモチベーションが上がらぬ人も、きっと著者の言葉に安心できるはず。
頑張り過ぎて疲れた私たちへ。美容の知識を深めてみよう。
結論:スキンケアのやり過ぎは肌の乾燥を加速させるかもしれない
肌荒れが改善されない、何を使っても肌が乾燥してしまう。
そんな時に、今行っているスキンケアが本当に肌にプラスになっているのかどうか見直してほしい。
美肌のためにやるべきことばかりに注力していては、金も時間も労力も衰退する。
断捨離が生活に余裕とハリをもたらすように、今こそスキンケアもミニマムに。肌をきれいにするために、まず何かをやめることから始めよう。
植物に肥料を与えすぎると、肥料を薄めようと植物の根っこは土壌に水分を放出する。
そうすることで根はしなびて、土壌の水分を吸い上げる本来の機能を発揮できずに葉は乾燥し、やがて枯れる。
植物か肥料過多で枯れるように、過度なスキンケアや洗顔のし過ぎで、これと同じことが私たちの肌に起き始めているのかもしれない。
溢れかえる情報に惑わされず、正しい知識を取り入れよう。まずは現段階の負のループに気づくこと。
与えないことが状況を好転させるカギになるやもしれない。