日本人はどの時代も顔を洗うことに全力を投資する。何で洗うか、どう洗うか。オイルなのがミルクなのか。
一時オイルクレンジングは肌の乾燥を助長する魔の洗浄剤として忌み嫌われていた時代があった。
それからというもの、クレンジングはオイルからミルクの好感度が右肩上がりで、最近はバームタイプのクレンジングが勢力を増している。
そして、近年美容家の中で話題となっているのが油脂系クレンジングオイルというもの。
クレンジングオイルでも、「油脂系」というのがポイントらしい。
今回は、そんな油脂クレンジングのメリット・デメリットを解説する。
クレンジングオイルにも種類があるのをご存じ?
クレンジングオイルはオイルでも、主成分によって肌への刺激性・洗浄力などモノによって千差万別という事実をご存じだろうか。
クレンジングオイルには、大きく分別すると油脂系・炭化水素油系・エステル系、という3つのタイプが存在する。
中でも、ドラッグストアに置いてあるクレンジングオイルの9割以上を占めるのは炭化水素油系とエステル系。
それぞれの違いと特徴は?
次に炭化水素油系とエステル系のクレンジングオイルについて解説する。
クレンジングオイルといっても、成分によって分類が分けられている。
それぞれのメリット・デメリットもあるから、一概にクレンジングオイルが全部乾燥する、ってわけでは無いみたい。。。
炭化水素油系クレンジングの特徴
プチプラクレンジングオイルの定番。ビオレなんかはこれ。
マスカラまでするっと落ちるクレンジングオイルといえばこれ、炭化水素油系のクレンジングオイルである。
- ミネラルオイルや水添ポリイソプデン、スクワランなどの成分がベース
- 炭化水素油系のオイル自体は安定性もあり低刺激でお肌を保護する役割もある
- お肌を保護する=皮膜を張り肌表面に残留しやすいという側面も
- クレンジングで炭化水素油系のオイルを落とす為には界面活性剤がセットになる
- 結果、メイクだけでなくお肌のうるおい成分も除去されるので非常に乾燥しやすくなる
どんな濃いお化粧もするりと落とすことができ、値段もお手頃で使いやすくドラッグストアのほとんどはこれ。
しかし、強い脱脂力がある為、非常に乾燥しやすいというデメリットがある。
オイルクレンジングが悪とされてきた原因となったのが、この炭化水素油系クレンジングなのである。
エステル系クレンジングの特徴
ファンケルがこれ。
炭化水素油系よりも、肌への乾燥度合いはややマイルド。
かといって洗浄力を損なうか、というわけでもなくノーマルメイクならなんなく落ちる。
- パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチルなど、〇〇酸●●ルといった名前の成分がベース
- 肌なじみが良く、お湯で乳化しやすい
- お肌に残留しにくく落としやすい為、W洗顔不用のものが多い
- 炭化水素油系クレンジングに比べて洗浄力はマイルド
炭化水素油系よりも価格はやや高め、という点がデメリット。
エステル系はプチプラコスメにももちろんあるし、意外とデパコスのクレンジングにもエステル系は混在している。
油脂系クレンジングって一体何!その特徴とは?
油脂系クレンジングとは、天然のオイル成分を主成分としたクレンジングオイルのことを指す。
代表的な成分は下記。
マカダミアナッツ油、コメヌカ油、アルガンオイル、オリーブ油、トウモロコシ胚芽油など
炭化水素油系・エステル系のクレンジングオイルよりも遥かに肌負担が少なく、乾燥肌・敏感肌には一番適しているクレンジングオイルである。
こういった油脂系のオイルは、皮脂に似た成分で構成されているので肌なじみが非常に良く、お湯でもさらっと流しやすいため肌に負担がかからない。
同じオイルでも全く違う。
天然由来成分なのか、そうでないかというのが成分の大きな違い。
油脂系クレンジングのメリット
- 皮脂に似た成分で構成されている為、肌なじみが大変良い
- 保湿成分を落とし過ぎず、お肌の潤いをキープするのでクレンジング後も乾燥しない
- マツエクにも使用可
- W洗顔不用
- 毛穴目立ちに効果的
以上から、クレンジングオイルの中では油脂系がダントツでお肌に優しいことが証明されている。
また、毛穴がきれいになった・黒ずみが改善されたという声も多いのが油脂系クレンジング。
油脂系クレンジングと毛穴のメカニズムについては後で説明する。
油脂系クレンジングのデメリット
- 炭化水素油系やエステル系に比べて値段が高い
- 売っている場所が少ない
- 皮脂崩れ防止系のガチガチベースメイクは落ちにくい
一番のデメリットは値段がやや高いという問題である。
そしてドラッグストアなどの近場では売っている所がほどんど無い。
また、ウォータープルーフマスカラや、皮脂崩れ防止系などのガチガチベースメイクには落ちにくい場合も。
マスカラ、プリマの下地は落ちにくい!!
油脂系クレンジング×ナチュラルメイクが、肌改善のための近道となる。
油脂系クレンジングが毛穴をきれいにする2つの理由
油脂系クレンジングが炭化水素油系、エステル系と大きく違うのは、皮脂に似た成分で出来ているという事である。
皮脂に似たオイルであるから皮脂と馴染みやすい。
皮脂と馴染むということは、油脂系クレンジングと毛穴の皮脂を含んだ汚れとも混ざり合うということだ。
- 皮脂と油脂系オイルが混ざりやすいため毛穴の中の汚れとも馴染みやすい=毛穴の汚れが落としやすく、毛穴詰まりの蓄積を予防する
- 油脂系オイルにはお肌の柔軟性を高める効果が期待できる=角栓として固くなり毛穴に溜まった角質が柔らかくなり排出されやすい状態に
毛穴が目立たないぷるぷるのお肌は決まって柔軟性が高い。
逆に毛穴の目立つ肌は乾燥して固くなりお肌の柔軟性に欠けターンオーバーサイクルも乱れている場合が多い。
油脂系クレンジングは毛穴悩みの改善を助ける唯一のクレンジングオイルであると言える。
クレンジング選びはベースメイクとの相性を考えること
ベースメイクが崩れる問題に常日頃ストレスを抱えている私たちは、下地もファンデも崩れ防止対策に特化したアイテムを常用。
常に肌はさらっさら。そして気付けばお肌は窒息寸前。
なんか最近お肌が息してないから刺激の少ないクレンジングに変えるわと、ジェルクレンジングやミルククレンジングへと洗う行為をマイルドに置き換え始める。
それが毛穴詰まりを促進させる無限ループの始まりなのである。
クレンジングは優しさだけを重視するのは不正解。
まずは普段、自分の肌の上に置いているベースメイクに注目し、クレンジングとの相性を見極める事が重要だ。
陥りがちなクレンジング負のループ
- 皮脂崩れ防止ベースメイクを常用し、常にマットなサラサラ肌を求める
- 乾燥し過ぎないようにクレンジングはミルクやジェルなどのマイルドなものを使用している
この上記2点セットが間違いの原因であり、気付かぬうちに蓄積されたベースメイクが毛穴詰まりの原因となっている、というパターン。
皮脂崩れ防止対策を兼ねそろえた優秀な化粧下地やファンデーションは、ちょっとやそっとのクレンジングで落ちきらないのが現実。
崩れにくいベースメイクを選択するならば、しっかり落ちるタイプのオイルクレンジングが鉄則である。
油脂クレンジング×落ちやすいベースメイクが肌に正解
毛穴詰まりは肌質によっても大きく左右される。
ストレスや加齢、生活習慣などの様々な原因で肌のターンオーバー(肌の細胞が生まれ変わるサイクルのこと)が乱れている人は不要な角質や垢が剥がれ落ちるタイミングが遅れて肌の上に留まりやすい。
不要な異物が肌の上に残りやすいというのは、ベースメイクも然り。
マイルドなクレンジングでは当然、落ちきらずに留まり、毛穴つまりの原因となるのは致し方ない。
乾燥肌で肌が硬く柔軟でない人など、肌質によってはこれらのベースメイクが原因で毛穴が詰まりやすくなる場合があるため、ベースメイクはなるべく詰まりにくい、酸化亜鉛フリーのものを選択したい。
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良いものを選択するには良いものを知ることから
クレンジングオイルの原料は分かりやすく言うと安かろう悪かろうであるが、中には高かろう悪かろうが存在することも忘れてはいけない。
中にはデパコスのお高いクレンジングオイルの主成分にミネラルオイルが平然と使用されていることも然り。
良いものを選択するには無知ではいけない。
デパコスが大正解とも言えないし、肌のきれいなモデルが使っているから正解とは言えない。
毛穴汚れがごっそり落ちる、毛穴が無くなるといったオーバーな宣伝広告につられてはいないだろうか。
馬鹿を釣る餌にかかる前に己の知識を肥やすことから始めよう。
さすれば我らの素肌も向上する。