もはや洗顔料は洗うだけのものではダメ。
洗顔による肌の潤い成分流出問題は実に深刻だ。私たちの肌には、60%のアミノ酸で構成されるNMFと呼ばれる天然保湿因子、すなわち天然の潤い成分で保護されている。
それを肌にキープさせる接着剤的な役割のセラミド。
生活習慣や間違ったスキンケア、特に洗顔のし過ぎ・洗浄力高過ぎで、これらは割と簡単に流出し、肌のバリア機能が低下することで肌荒れやニキビ・乾燥・毛穴目立ちなど様々な問題が勃発。
化粧水で保湿するよりも、肌の潤いをいかに流出させないかが鍵。それならこだわるべきは洗顔料。
ここでは、肌の潤いを守る為の洗顔料の選び方について徹底解析する。
洗顔料を選択するには成分が鍵。ただ洗顔料の成分表示ってちょっとややこしいし分かりずらい。
出来るだけわかりやすくまとめました。
まずは洗顔料が何で構成されているかを知る
洗顔料を正しく理解し選択する為には、まず洗顔料がどんな成分で構成されているのかをざっくりと知る必要がある。
- 水性成分・・・保湿効果や溶剤としての役割など
- 油性成分・・・柔軟効果や保湿効果、溶剤や石鹸を合成する材料として使われるなど様々な用途に使用される
- 界面活性剤・・・乳液やクリームなど乳化剤としての役割や洗浄成分等様々な用途に使用される
- その他・・・pH調整や防腐、有効成分や香料などその他の成分
基本的はどの洗顔料もおおまかにこんな成分構成で作られているの。洗顔フォームも固形石鹸も同じ!
洗い上りや洗浄力を左右する界面活性剤を知る!
まず洗顔料を選ぶために焦点を当てるべきは界面活性剤である。
界面活性剤は汚れを落とす洗顔料に含まれるもの、トリートメントに使用される帯電効果のあるもの、乳液に配合される乳化の為のものなど、実に様々な種類が存在し、殺菌力や脱脂力が強いもの、皮膚刺激がマイルドなものなど同じ界面活性剤でも全く異なる性質を持つ。
ここでは、全てを説明するとキリが無いので一般的に洗顔料に使われることの多い界面活性剤の一部を紹介する。
界面活性剤=肌に悪い、っていう定説もあるけれど刺激が弱く敏感肌で使えるものもちゃんとあるの。要は使い方!
ラウリル硫酸Na
- 強い洗浄力を発揮する
- 赤みやかゆみなどの皮膚刺激性が報告されるようになってからあまり使われなくなった
- 配合されていたとしても低濃度で洗顔料やシャンプー等に配合される事がある
オレフィンスルホン酸Na
- 強い洗浄力を発揮する
- 皮膚刺激は少ないが脱脂力は強い
- 泡立ち・泡切れが良い
- ラウレス硫酸Naやラウリル硫酸Naの代用としてシャンプーや洗顔料等によく配合されている一般的な洗浄成分
ラウレス硫酸Na
- 強い洗浄力を発揮する
- 皮膚刺激は少ないが脱脂力は強い
- 泡立ちが良い
- シャンプーや洗顔料等によく配合されている一般的な洗浄成分
石鹸系
- 基本的に強い洗浄力を発揮する
- また、使用される油性成分によって洗浄力や肌刺激が異なる場合も
- 使用するアルカリ成分によって出来上がる石鹸の種類が異なる
基本的に石鹸成分の種類はこんな感じ。この中ではカリ含有石ケン素地が一番肌刺激や洗浄力がマイルドであると言われている。
また、使用される油性成分によって洗い上りも全く異なる!これについては後で詳しく紹介します。
アミノ酸系
- アシル基(脂肪酸残基)とアミノ酸(グルタミン酸・アスパラギン酸・グリシン・アラニン等)から合成される界面活性剤
- 基本的に洗浄力はマイルドで低刺激
- また、使用されるアミノ酸の種類によって洗浄力が若干異なる
- 泡立ちにくい
ここまでの洗浄成分の洗浄力や特徴を比較
ここまでをまとめると、洗浄成分で洗顔料を選ぶならば、
- 洗浄力がマイルドで脱脂力が低く肌刺激の少ない「アミノ酸系洗浄成分」をベースとした洗顔料
- 中には洗浄力がマイルドなものも存在する「石けん系洗浄成分」をベースとした洗顔料
の、どちらかがおすすめである。
特に乾燥肌や敏感肌で水分量の低い肌ほど、洗顔による肌の潤い成分の流出を防ぐべき!その為には洗浄成分にこだわりを持とう。
石鹸=洗浄力が高くて刺激がある、は嘘!
石けん、と一言で言っても奥が深すぎて石けん=洗浄力が高く乾燥する、とは言い切れないのが事実。
基本的に一般的な石けんという成分は高級脂肪酸とアルカリ成分である水酸化NaまたはKを混ぜて作られているものを指し、アルカリ成分によって出来上がる石けんの形状が異なる。
結論を先に言うと、油脂をベースに作られた石けんかカリ含有石ケン素地が洗浄力がマイルドで肌に比較的に優しい!
石けんの種類から洗浄力や刺激性を判別する為には、まず成分表に記載されている表記方法を読み取る必要がありちょっとコツがいるので簡潔にまとめます。
洗浄力強め!一般的な固形石鹸の石けん素地の成分表示
成分表示例 | |
成分表示例①石けんそのままの成分名で表示 | |
成分表示例②石けんの材料である高級脂肪酸 とアルカリ成分を別々に表示 | |
成分表示例③石けんの材料である高級脂肪酸 とアルカリ成分を合成した後の 成分名で表示 |
石けん成分そのままの記載だと石けん素地。
しかし、一番多い記載方法は脂肪酸+アルカリ成分(例:ステアリン酸+水酸化Na)で脂肪酸とアルカリ成分が合成した後の成分名(ステアリン酸Naやミリスチン酸Kなど)で記載している場合も。
洗浄力強め!一般的な洗顔フォームに配合されるカリ石けん素地の成分表示
成分表示例 | |
成分表示例①石けんそのままの成分名で表示 | |
成分表示例②石けんの材料である高級脂肪酸 とアルカリ成分を別々に表示 | |
成分表示例③石けんの材料である高級脂肪酸 とアルカリ成分を合成した後の 成分名で表示 |
石けん成分そのままの記載だとカリ石けん素地。
しかし、一番多い記載方法は脂肪酸+アルカリ成分(例:ステアリン酸+水酸化K)で脂肪酸とアルカリ成分が合成した後の成分名(ステアリン酸Kやミリスチン酸Kなど)で記載している場合も。
洗浄力・刺激も比較的マイルドなカリ含有石ケン素地の成分表示
成分表示例 | |
成分表示例:石けんそのままの成分名で表示 |
カリ含有石ケン素地に関しては、成分表記の仕方が①の石鹸そのままの成分名での表示方法のみ。
よって、②③のようにどんな高級脂肪酸で合成されているのか、成分表では読み取ることが出来ないのがデメリット!
高級脂肪酸の種類と特徴
出典:化粧品成分オンライン
高級脂肪酸とは、石鹸を作るに欠かせない材料の一つ。
成分表示にはステアリン酸やパルミチン酸などという成分名で表示されているが、この高級脂肪酸のどれを使うかによって石鹸自体の洗浄力や皮膚刺激に若干の差異が生じる。
つまり、洗浄力がマイルドでお肌に優しい石鹸を選ぶにはステアリン酸とラウリン酸の配合量が少ないものを選択すべし!
油脂ベースで作られた石鹸の成分表示と選び方
成分表示例 | |
成分表示例:石けんの材料である油脂 とアルカリ成分を別々に表示 |
肌を柔らく保ち水分蒸発抑制のあるエモリエント効果に優れた天然の油性成分である油脂をベースに作られた石鹸は、比較的洗浄力がマイルドで洗い上りもつっぱりにくいので推せる!
成分表示方法は、油脂とアルカリ成分を別に記載する方法が殆ど。
ここで一つ注意したいのが、ヤシ油という油脂。
ヤシ油とはココヤシから作られる油脂のことで脂肪酸組成はラウリン酸が約50%も含まれている。
ラウリン酸は高級脂肪酸の中でもやや刺激性のある成分というのは先ほど説明した通り!
- 洗浄力:ステアリン酸>パルミチン酸>ミリスチン酸>ラウリン酸
- 刺激性:ラウリン酸>ミリスチン酸>パルミチン酸>ステアリン酸
つまり、油脂ベースの石鹸を選ぶなら、ヤシ油の配合量がなるべく少ないものを選ぶと◎
石鹸よりもマイルドで優しいアミノ酸系洗顔料の見分け方!
アミノ酸系と一言で言っても、全部が洗浄力が弱くてマイルドであるというのはやや不正解!
石けんや高級アルコール系の洗浄成分と比べると、比較的マイルド寄りではあるがアミノ酸系洗浄成分の中にもさっぱりとした洗い上りのものからマイルドなものまでさまざま。
見分け方は、上記図のアミノ酸系洗浄成分が配合されているか否か。
- グルタミン系ー保湿力がありしっとりとした洗い上り
- アラニン系ー泡立ちが良い!洗浄力はアミノ酸系の中でも高め
- グリシン系ーやや使用感悪め、石鹸のような洗い心地
- タウリン系ーさっぱり!泡立ちは良くない
- サルコシン系ー泡立ちは良い。最近では使われていない
- アスパラギン酸系ー泡立ちが良く低刺激
肌が乾燥しやすい・敏感!という人にはアミノ酸系の洗浄成分がおすすめ。
肌の潤いは化粧水で補うよりも、いかに流出させないかが重要なのだ!
肌質や好み・目的に合わせた洗浄成分の選び方まとめ
個人的にはアミノ酸系推しです!
選ぶならこれ!おすすめのアミノ酸系洗顔料3選
やっぱり個人的には、肌負担の少ないアミノ酸系洗顔料を推したい。
アミノ酸系洗顔料は、珍しいものと思いきや、意外とドラッグストアでも手軽に変えてしまうアイテム。
キュレル 薬用泡洗顔料
出典:amazon
今まで何本も使ってきたことのあるキュレル泡洗顔料は、洗顔後につっぱる・乾燥する、という事態皆無。
洗浄成分はアミノ酸系の中でも、汚れをしっかり落としつつもマイルドなアスパラギン酸系のラウロイルアスパラギン酸Naがベース。
乾燥しやすいお肌におすすめの洗顔料はこれ。
- 潤いは落とさずに汚れだけをマイルドに洗浄する
- 肌荒れを予防するグリチルリチン酸2K配合!
- つっぱりにくく、洗い上りも乾燥しにくい!
グリチルリチン酸2K*、精製水、グリセリン、ラウロイルアスパラギン酸Na液、マルチトール、ラウリルヒドロキシスルホベタイン液、PG、PEG6000、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸Na、ステアリン酸POEソルビタン、グリセリルエチルヘキシルエーテル、水酸化カリウム液(A)、エデト酸塩、フェノキシエタノール、パラベン
*は「有効成分」無表示は「その他の成分」
キュレル 泡洗顔料
— にゃんちゅう@美容 (@nyan_chu_pink) June 27, 2023
時短だし摩擦レスな泡洗顔🫧
何度もリピートしてます。
これだけで保湿!とかはないけど
肌荒れ防止の成分も入ってるし
安心して使えます 🦢#使い切りスキンケア pic.twitter.com/aFxI5qPnIo
キュレルの泡洗顔料は、セラミドケアに特化したもので、外部刺激で肌荒れしにくくなる効果が得られる☆
— まゆ@みんなをお手伝い (@onayami__com) February 23, 2023
セラミド守って洗う洗浄、働きを補う保湿が最大の特徴で乾燥肌にもってこい、香料、着色料、アルコールも入っていないから敏感肌にも優しい処方♡https://t.co/hiBVTlVzKq
泡立ちも、泡切れも良いからすすぎ残しもしにくいのがポイント!
キュレル 薬用泡洗顔料の詳細はこちら
なめらか本舗 薬用泡洗顔
出典:amazon
アミノ酸系洗顔料の中ではズバ抜けてコスパの高いなめらか本舗の薬用純白泡洗顔!
洗浄成分はN-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム液がベースで、医薬部外品名だから分かりにくいが化粧品の成分名だと「ココイルグリシンK」
アミノ酸系洗浄成分の中では、比較的洗浄力が高めの成分でさっぱりとした洗い上りを求めるけれどつっぱりたくない!という人にぴったりの洗顔料。
- とにかくコスパ最強
- アミノ酸系の中でも洗浄力高めでさっぱり
- 肌荒れを予防するグリチルリチン酸2K配合!
グリチルリチン酸ジカリウム※、水、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム液、BG、ソルビット液、マルチトール液、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、豆乳発酵液、ダイズエキス、リン酸L-アスコルビルマグネシウム、EDTA-2Na、エタノール、ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム液、水酸化K、フェノキシエタノール ※印は、有効成分です。 ※印のないものは、その他の成分です。
🎀サナ なめらか本舗
— おソノさん (@gucyokipan_ten) February 5, 2023
豆乳イソフラボン 薬用純白泡洗顔
へたらない泡と滑らかな使い心地🌸
毎朝、泡洗顔で楽ちん☺️
肌突っ張らないし年中乾燥を感じないから好き🫧
適度な潤いがあってこれまたいい🌈
コスパ最強でございます💨#使い切りスキンケア#おソノさんの美容計画 pic.twitter.com/5flCHwR353
#コスメ購入品 #スキンケア購入品
— Azu (@AZU19ta) May 19, 2023
なめらか本舗 豆乳イソフラボン 純白泡洗顔
LDKのランキングで1位を獲得した泡洗顔を買ってみました✨
やっぱりポンプ式の泡洗顔は楽ちんだなぁ😍
ヘタりにくいしスッキリ流せて使用感◎
肌荒れ防止成分配合なのも嬉しい☺️
レチノールのA反応中でも優しく洗えたよ👍 pic.twitter.com/EswT2I5qhU
コスパ求めるならこれ!泡立ちも濃密でもこもこ。
なめらか本舗 薬用泡洗顔の詳細はこちら
ミノン アミノモイスト ジェントルウォッシュ ホイップ
出典:amazon
ミノンから出ている泡洗顔料、ジェントルウォッシュホイップのベース成分はアミノ酸系洗浄成分の中でも最もマイルドなグルタミン酸系のココイルグルタミン酸TEA。
洗い上りも、なめらか本舗やキュレルと比べるとしっとり。つっぱり感は全くなく、むしろオイリー肌だったら不安になるほど肌がしっとりする。
敏感肌や乾燥のひどい肌にはこれ!もうちょっとさっぱりしたいならキュレルかなめらか本舗を。
- アミノ酸系の中でも洗浄力マイルドで優しい
- 肌荒れを予防するグリチルリチン酸2K配合!
- 保湿成分には肌の潤い成分であるアミノ酸保湿成分がしっかり配合
水、ココイルグルタミン酸TEA、BG、ジグリセリン、コカミドプロピルベタイン、メチルグルセス-10、ヤシ脂肪酸アルギニン、コカミドDEA、水酸化K、塩化Na、フェノキシエタノール、グリチルリチン酸2K、エチドロン酸、ロイシン、セリン、グリシン、アラニン、アルギニン、トレオニン、バリン、ヒスチジン、カルノシン、プロリン、リシンHCl、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール、水添レシチン、ラウリン酸ポリグリセリル-10、トコフェロール
この2つ使い出してから肌荒れの頻度がかなり減ったのでシェア🍑
— ner (@lotus_ner) February 26, 2023
📍MINONの泡洗顔料
→泡だてなくていいから時間ない時に嬉しい、全然つっぱらず潤いが保たれてる感じがする
📍Melvitaのナイトバーム
→塗った後肌がもちもちになる、ベタベタしない、とにかく香りがすき pic.twitter.com/cfVkri3NqD
#めりこ使い切り
— めりこ (@neptune_xxx_mk) April 8, 2023
☑︎ミノン (@minon_dshc )
ジェントルウォッシュ ホイップ
ふわしゅわ泡のポンプ式洗顔🫧朝用のやさしい洗顔として使ってました🙋♀️ この前に使ったカルテHDと比べて泡切れはそんなに良くないけど、洗い上がりしっとりで、落としすぎな感じもなくいい感じ◎次はオルビスのジェル洗顔 pic.twitter.com/UV5UJt5bDh
洗顔料と化粧水を足して2で割ったようなアイテム。洗顔料なのに保湿成分もしっかり配合!
ミノン アミノモイスト ジェントルウォッシュ ホイップの詳細はこちら
その他のアミノ酸系洗顔料のおすすめはこちら!
結論:肌の潤いをキープするなら化粧水よりも洗顔料にこだわるべし
やっぱり個人的には何よりもアミノ酸系の洗顔料がおすすめ。
ザ・洗顔フォームからアミノ酸系にシフトしてからは、やっぱり肌刺激が少ないしつっぱりにくいし肌の調子が保たれる感じがする。
特にクレンジングの後にW洗顔する人は、特に肌の潤いキープに役立つアミノ酸系洗顔料に変えるべき。
洗顔による肌負担って思いのほか大きい。特に乾燥肌や保湿剤を足すよりもまず、洗顔を変えるだけで大分肌の水分量・肌のなめらかさが変わる。
これは何回も言いたいが、化粧水や美容液の潤いってそのまんま肌の潤い成分にはなってくれないのだ。
天然、備え付けの肌本来の潤い成分をどれだけ保有しているかどうかで肌のキメや触り心地、メイクノリにも大きく響く。
美容液よりも洗顔料を。大枚はたかなくたって、コツを掴めばいい洗顔料には出会える。
洗顔料選びの参考になれば幸いである。健闘を祈る。