私たちのお肌がなかなか改善されない原因の一つに、グリセリンという成分が吊るしあげられている近年。
グリセリンを排除したスキンケア方法である「グリセリンフリー」が注目を集めている。
一体全体グリセリンフリーは本当にお肌にいいの?
今回はグリセリンフリーのデメリット、そしておすすめのグリセリンフリー乳液について紹介する。
グリセリンフリーってそもそも何?
グリセリンフリーとは、その名の通り、化粧水や乳液などのスキンケアに欠かせない保湿成分「グリセリン」を排除したスキンケア方法のことを指す。
保湿成分である「グリセリン」を排除したスキンケアって、そもそもお肌にいいの?
そもそも何でグリセリンを抜く必要があるの?
そんな疑問が近年話題となっている。次にグリセリンのデメリットを紹介する。
グリセリンがお肌に与えるかもしれない悪影響
グリセリンがお肌に与える悪影響として、
グリセリンはニキビの元となるアクネ菌を増殖させる可能性がある=ニキビが出来やすくなる
グリセリンの持つ性質【光の屈折率の高さ】によって、毛穴の黒ずみが目立って見える
以上の2点が挙げられる。
グリセリンのデメリット、決定的すぎる
グリセリンがお肌に与える可能性のあるこの2点については、化粧品化学研究の分野でも研究・実験が行われている。
ニキビ・毛穴とグリセリンの詳しい因果関係については、下記を参照していただきたい。
グリセリンフリーにもデメリットがある
それならば、グリセリンを使う必要は全くないのでは。
化粧水も乳液も、グリセリンをどんどん排除するべきだ。
そう感じ、安易にグリセリンフリーに手を出しても思っていた効果が得られなかった、いや、グリセリンフリーに変えてから逆にお肌の調子が悪いよ、という声も多く存在する。
グリセリンを使っていた時よりもお肌が乾燥する
グリセリンフリーにスキンケアを変えて、最も多かったデメリットの一つがお肌の乾燥である。
グリセリンは保湿剤の中でも、最も価格が安く、安定性が高い。そして保湿効果についても申し分ない。
グリセリンの最大のメリットであるお肌の保湿効果を取り上げられたら、そりゃあグリセリンを使っていた時よりも、乾燥しやすくなるのは当然の事。
グリセリンには水分の蒸散を抑えるだけでなく、外部から水分を引き寄せ、肌にうるおいをもたらすはたらきがあります。また、グリセリンはひとつひとつの分子がとても小さいため、角質層の奥深くまでしっかり浸透。肌の内側(角層)までしっかり保湿し、肌のバリア機能を強化するはたらきも。注目すべきはその持続力。即効性のある保湿成分としてはヒアルロン酸が有名ですが、グリセリンはより長時間その保湿効果が持続することがわかっています。
https://www.neutrogena.jp/column/ingredients/004-glycerine
グリセリンは悪というわけではない。むしろ優秀な成分の一つでもある。
乾燥がしみ・しわ・たるみを呼ぶ
お肌が乾燥している。
これはスキンケア大好きモンスターの私たちが、最も怠ってはいけないこと。
阻止しなければならぬ最重要項目がこれ。肌の乾燥だ。
肌が乾燥している状態にあると、
- 肌のバリア機能が弱まり、刺激を感じやすくなり炎症を起こしやすくなる
- 炎症を起こしやすいお肌は紫外線のダメージも受けやすく、シミの原因になりやすくなる
- お肌の水分量が低下し、乾燥が進むと肌表面にしわが刻まれやすくなる
- さらに乾燥が進むと、お肌のハリが失われる
- お肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンは紫外線によって生産が減少
- 乾燥が紫外線のダメージをもろに受ける事で、ハリを失いたるみの原因に
以上のように、お肌がかさかさするだけでなく放っておけば、肌老化を加速させるというとんでもない事態になってしまう可能性があるのだ。
結局、グリセリンを使うべきなのか排除するべきなのか一体なにがいいのだ!
グリセリンフリーに保湿効果が無い、というわけではない
ここで、勘違いしてはいけないのが、「グリセリン」という保湿剤を排除したグリセリンフリーに、保湿剤が含まれていない、ということではない。
ヒアルロン酸やセラミドなど、グリセリンに代わる保湿剤は幅広く存在する。
グリセリンの代わりになる保湿剤の保湿力が、お肌とマッチしていれば全く問題ない。
むしろ、肌に合っていさえすれば、ニキビや毛穴悩みなどがグリセリンフリーによって改善される可能性があるのだから試す価値はある。
グリセリンフリーはどんなお肌におすすめ?
今までグリセリン配合のスキンケアがお肌に合っていた人や、お肌が乾燥しやすい人、インナードライの人は、グリセリンフリーを始めることによって、保湿力が物足りず、 余計にお肌が乾燥してしまう可能性がある。
逆に、グリセリンフリーに向いているお肌は、
- オイリー寄りのお肌でニキビが気になる
- 毛穴の黒ずみが気になる
これに限る。
また、混合肌などの乾燥している部分とオイリーな部分の両方を持ち合わせている肌質には、顔全部をグリセリンフリーのものでケアするというより乾燥が気になるところはグリセリンを使ったり、毛穴の気になる部分やニキビが出来やすい部分はグリセリンフリーにする、という手も効果的だ。
一番重要なのは、試してお肌の状態を見ながら続ける事。
調子が悪けりゃ合っていないということ。見極めが重要である。
私も、乾燥しやすい箇所にはグリセリンを、ニキビの出来やすい所や毛穴の気になる部分はグリセリンフリーにしている
ニキビ・毛穴の気になる肌に。グリセリンフリーの乳液5選
ニキビ・毛穴悩みには、グリセリンフリーを試す価値あり。
ここでは、SNSで話題となっているグリセリンフリーの乳液を紹介する。
松山油脂 Mマーク アミノ酸保湿ローション 乳液
https://store.matsuyama.co.jp/products/detail.php?product_id=977
松山油脂のスキンケアラインは肌に必要なものだけを厳選し、できるだけ刺激になるものを取り除いたシンプル処方が特徴である。
同じ松山油脂から出ているグリセリンフリーの化粧水「アミノ酸浸透液」も人気。
- グリセリンの代わりに使われている保湿剤は、マカダミアナッツ油
- マカダミアナッツ油に含まれるパルミトオレイン酸がお肌の乾燥を防ぐ
- マカダミアナッツ油は肌なじみがよく水分の蒸発を防ぐ効果も
- 内容量:150ml・140ml(詰め替え)の2展開
ちふれ 乳液 さっぱりタイプ
https://www.chifure.co.jp/products/milkylotion/2009
プチプラスキンケアの代名詞、「ちふれ」からもグリセリンフリーの乳液が出ています。
無香料・無着色・ノンアルコールと、お肌に刺激のある成分をも全て排除。
さっぱりタイプとあるように、さらっと馴染んでべたつかないテクスチャーがニキビ民には大好評。
- グリセリンの代わりになる保湿剤に、ヒアルロン酸・トレハロースを採用
- また、お肌の水分をしっかり保護する成分は安全性が高く保湿力もあるミネラルオイルとスクワラン
- 内容量:150ml(同価格で詰め替えあり)
NOV ノブ ACアクティブ モイスチュアミルク
https://noevirgroup.jp/nov/g/g51929/
臨床皮膚医学に基づいてスキンケア製品の研究開発をしているNOVからもグリセリンフリーの乳液が出ている。
ACアクティブシリーズは、大人のニキビ肌に特化したスキンケアシリーズ。
ニキビにはもちろん、しみ・そばかすを予防する美白有効成分であるビタミンC誘導体もしっかり配合。。
- グリセリンに代わる保湿剤は、ヒアルロン酸Na-2と天然セラミド!
- 天然セラミドはN-ステアロイルフィトスフィンゴシンというセラミドの中でも肌馴染みがよく浸透力の高いヒト型セラミド
- 荒れたお肌を整える有効成分、グリチルレチン酸ステアリルも配合
- 内容量:50ml
セザンヌ モイスチュアリッチ エッセンスミルク
https://www.cezanne.co.jp/lineup/4939553010852/
えーっ、セザンヌはプチプラコスメの代表格でメイクアップは買ったことあるけどスキンケアは大丈夫?安すぎて心配。
ちょっと偏見的な目線になりがちになってしまう安すぎるスキンケア。
その特徴はアミノ酸やビタミン等の栄養豊富な加水分解酵母が配合されていること。
加水分解酵母は、お肌を保湿しみずみずしく保つ効果がある。
- グリセリンに代わる保湿剤は、優れた保湿力で角層を潤いで満たす加水分解コラーゲン・加水分解ヒアルロン酸
- さらにお肌の水分を逃さず保持するグルコシルセラミド
- そして肌なじみが良くお肌に潤いを届ける真珠エキスも配合
- 無香料・無着色・無鉱物油・アルコールフリー
- 内容量は160ml
キューピーしっとり ベビースキンミルク ポンプ
https://akachan.omni7.jp/detail/518009400
ベビーオイルにベビーミルク、近年、別の意味でのベビーブームがスキンケア界隈に浸透している。
こちらはかの有名な牛乳石鹸の会社が開発した赤ちゃんのための(ママも)保湿剤だ。顔でも体でも全身使える。
成分の一つに、エチルヘキシルグリセリンというグリセリンと2-エチレンヘキシルアルコールを化合させたものがごく微量に配合されている。
よって完全にグリセリンフリーではないが、グリセリンフリーと言っていいくらいの微量なのでここでも紹介する。
- グリセリンに代わる保湿剤はヒアルロン酸Na
- ヒアルロン酸Naの保水・保湿効果によってお肌をしっとり柔らかく保つ
- お肌の水分を逃がさぬようホホバ種子油・シア脂・スクワランも配合
- 内容量:330mlと大容量!
結論:グリセリンフリーは様子を見ながら、お肌と相談するべし
結局はこれ。
グリセリンフリーについては、アクネ菌を増やすというエビデンスも取れているのでニキビの出来やすいお肌には朗報。
しかし、万年乾燥肌で水分量が少なく柔軟性低めのお肌にとっては乾燥地獄に成り得る可能性もある。
賛否両論のあるグリセリンフリー生活。
自分のお肌が喜ぶか否か。膨大な情報に惑わされず、お肌と相談しながら進めてみよう。