
巷では粉ミルクを飲む大人が勃発したり、ベビーオイルで顔を洗う行為が流行したりと、別の意味でのベビーブームが訪れている。
時代の流れと共に、メンタルもお肌もどんどん敏感になっている現代人。
ベビーオイル洗顔で肌がきれいになる?ニキビが消える?
ベビーオイルで顔を洗う行為にどんなメカニズムがあるのか。
今回は賛否両論のベビーオイル洗顔について、実際に体験した感想を元についに一石を投じようと思う。

シンプルに見えて奥が深いベビーオイル洗顔について徹底解析する。
そもそもベビーオイル洗顔って何?やり方は?

ベビーオイル洗顔とはその言葉通り、ベビーオイルで洗顔をするという事。
ここで言う洗顔とは、どのタイミングの洗顔か。
それは、メイクをした状態のお顔をクレンジング(洗顔)する時の洗顔の事である。
ベビーオイル洗顔の手順は下記の通り。
- 少しずつ手に取りながら、ベビーオイルを顔全体に馴染ませる
- 顔全体を撫でるようにくるくるしながら、メイクと馴染ませる
- メイクが馴染んだら、キッチンペーパーやティッシュなどでオイルをオフする
- オイルがある程度オフ出来たらOK
- その後は気になる場合は泡洗顔をする(しなくても良い)
※マスカラは落ちにくい為、予めポイントメイクリムーバーでオフすると良い
通常のクレンジングオイルとの大きな違いは、落とす時に水(お湯)で流すか・ペーパーを当ててオフするかという部分。
通常のクレンジングオイルには界面活性剤と言う、油と水を乳化させて流しやすくする成分が入っているが、ベビーオイルは100%オイル成分のみなので界面活性剤が入っていない。
だから、お湯で流すことは出来ずにティッシュペーパーなどを当ててオフするしかないのだ。

お湯で流すのと、ペーパーでオフするの、どっちが肌に良い?
これについては後で詳しく説明していきます!
ベビーオイル洗顔でニキビ・毛穴の黒ずみ(いちご鼻)が消える?

口コミある通り、ベビーオイル洗顔をしばらく続けると肌がうるおって毛穴が目立ちにくくなる・肌がなめらかになるらしい。
具体的にベビーオイル洗顔がもたらすお肌への効果としては下記が報告されている。
- お肌が乾燥しにくくなる
- 毛穴が目立ちにくくなる
- 乾燥による肌荒れ防止に
この、お肌の三大悩みがベビーオイル一つでケアできるというのは一体どんな種が隠されているのだろうか。
次に、ベビーオイル洗顔のメカニズムについて解説する。
なぜ?ベビーオイル洗顔がお肌を良くするメカニズム

ベビーオイル洗顔によってなぜお肌がきれいになるのか。
答えは至ってシンプル、それは「洗いすぎないから」である。
お肌の状態や原因は千差万別。
少し雑に扱ってもキメ細かに陶器肌を維持する者もいれば、チョコを食べるだけでニキビが出来る者もいる。
しかし、全人類に共通して、お肌を美肌から遠ざけてしまう行為がある。
それは行き過ぎたスキンケア、洗顔である。
これらはお肌が元々存在する必要なうるおい成分まで取り除いてしまう場合があるのだ。
これによって知らぬ間に肌の乾燥が進み、毛穴が目立つ、といった原因になってしまう可能性があるのだ。

ベビーオイル洗顔は、肌への摩擦を軽減する。また通常のクレンジングオイルと比べて遥かに負担が少ない!
だから、肌トラブルの原因である「洗いすぎ」という項目をクリアにできるのだ。
肌トラブルの原因とスキンケアの関係についての詳細はこちら
ベビーオイルは、普通のクレンジングオイルと何が違う?

通常のクレンジングオイルとベビーオイルの大きな違いは、界面活性剤が入っているか否かである。
ベビーオイルには界面活性剤が入っていない。

界面活性って一体何?どんな作用があるの??と言う方にまずは界面活性剤について紐解いていこう。
オイルクレンジングは肌に良くない、乾燥する、という説を誰もが聞いたことがあるはず。
それはオイルクレンジングに含まれる界面活性剤という成分が良くないよ、という説がある。
では、まずオイルクレンジングの仕組みを説明しよう。
- オイル成分でメイクや汚れを浮かす
- 界面活性剤によってオイル成分がお湯と馴染み乳化する
- メイクが落ちる
オイルだけでは水に流れない性質の為、メイクを浮かせることしか出来ない。

そこで、オイルで浮かせた汚れを洗い流すには、油と水といった混じり合わないものを混ぜ合わせて落とすことの出来る「界面活性剤」がオイルクレンジングには必要不可欠なのだ。
界面活性剤が含まれると、オイルとお湯が混ざる事により洗い流すことが出来る。
しかし、界面活性剤がお肌の潤いまでも取り除く可能性があるのだ。
だからオイルクレンジングが乾燥するよ、と言われるのだが、これについては誤解がある。
通常のクレンジングオイルに含まれる界面活性剤は本当に悪なのか?

逆を言うと、界面活性剤が無いと、落ちきらなかったオイルやメイク汚れが肌の上に残ってしまう場合がある。
これはこれで、ニキビその他諸々の原因となり問題だ。
問題なのは量だ。界面活性剤がたっぷり含まれているという事にある。
ドラッグストアに常備されている千円以下のオイルクレンジングの成分表を見てほしい。
そこには大抵、ミネラルオイルと言う表記があるだろう。
この、ミネラルオイルとは「鉱物油」といって原料は石油である。
- ミネラルオイルは、お肌に膜を張る保護力が高い。ワセリンもあれと同じ。
- 保護力が高い為、皮膚に付くと落ちにくい
- ミネラルオイルをオイルクレンジングに入れるには、多くの界面活性剤が必要になる
- 界面活性剤が多く使われるとミネラルオイルと共にお肌の潤いまで流してしまう
このように、多量の界面活性剤が含まれてしまうクレンジングオイルに問題があるのだ。

界面活性剤=肌に悪い、のでは無く、たくさんの界面活性剤が入っている事が肌に悪いのである。
なぜベビーオイル洗顔がいい?成分は?

ベビーオイルの成分はずばり、ミネラルオイルである。
これを顔に塗り広げてメイクオフをするのだが、界面活性剤が入っていないからお湯で流すことは出来ない。
ではどうするか。ティッシュオフである。
だから、冒頭にも説明したように、ベビーオイル洗顔をする場合はキッチンペーパーやティッシュでオフすることが必要不可欠なのだ。

界面活性剤が入っていないから、オイルと共にお肌の潤い成分までをも洗い流す心配が無いのが、ベビーオイル洗顔の大きなメリットの一つでもある。
ミネラルオイルは肌に悪い?


ミネラルオイルって何だが肌に良くないイメージ。と思った人も多いはず。
安価なクレンジングオイルに含まれているし、界面活性剤がたくさん入っていないと落ちにくいし。
実際のところどうなの?という疑問にまず答えたい。
じゃあミネラルオイルが悪なのかと言えばそれはまた別の話。
なぜ一般的なクレンジングオイルにミネラルオイルが使われているのかと言うと、
- 原価が安い
- 安定性に優れている(酸化しにくい、腐りにくい)
- 敏感肌でも使いやすい
- ワセリンや軟膏にも使われている
安全性の高さと価格の安さ。これに尽きる。
ベビーオイル洗顔は界面活性剤と摩擦を除くから肌に優しい

ミネラルオイルだけで出来ているベビーオイルには、界面活性剤による潤い成分の喪失、つまり乾燥の恐れが無い。
そしてなるべく「擦らない」という方法が、お肌に負担をかけない。
これによって、お肌に元々存在している必要な潤いが、洗顔によって除去されるのを徹底的に防ぐのだ。
ベビーオイルでなぜ角栓がぽろぽろ取れる?
ベビーオイル洗顔と検索すると、必ず「角栓ポロリ」が出てくる。
角栓ポロリとは何か、それは、小鼻に詰まっている白いあれ。
お風呂上りに気になるやつ、毛穴の中から飛び出している中々取れないあれを角栓と言う。
これがベビーオイル洗顔をすると、ポロポロと取れるという不思議な現状が起きるらしい。
そのメカニズムは以下の通り。

- 角栓は、タンパク質70%と油分30%から成る
- ミネラルオイルの特性によって、タンパク質をふやかすことなく少しずつ周りを削っていく
- 徐々に削られた角栓が毛穴からポロリと取れる
- 界面活性剤の入った通常のクレンジングでは、角栓をふやかし柔らかくしてしまうからポロリしない
詳細は「化粧品の現役開発者のみついだいすけ」さんのnoteを参照していただきたい。
ミネラルオイルによる洗顔は角栓をふやかすことなく角栓の表面だけを毎日少しづつ溶かしていきます。表面だけ薄く薄く溶かしていくので徐々に毛穴と角栓の間に隙間ができていきます。角栓は芯に硬さを保ったまま毛穴との隙間ができてくることでぐらぐら揺らいできます。そしてついには角栓がポロリ。
https://note.com/daisuke3tsui/n/n20a1d4db08a7

ベビーオイルで角栓がとれるメカニズムはとても理にかなっている
ベビーオイル洗顔をしたら・・・実際の体験をレビュー

自分も、魔法のような効果を持つベビーオイル洗顔に魅せられて、ドラッグストアでベビーオイル洗顔を購入した口だ。
継続期間は一か月。この時に得ることの出来たメリット、そしてデメリットについて説明しようと思う。
使い心地は最悪、肌状態は最高

ベビーオイル洗顔をして感じたことは下記の通り。
- 普通のクレンジングはお肌に馴染ませるとヌルっとするが、ベビーオイルはさらさら
- ティッシュでオフ後、油分で光ってはいるがそこまでベタベタしない
- お湯で顔を流すと完全に水をはじく
- 泡洗顔はしなくていいらしいのでしなかった
- 化粧水、美容液がお肌に浸透しない
- 開始三日くらいで毛穴の黒ずみは改善され、肌のキメが細かくなった
ベビーオイルを肌の上に滑らせるとさらさらするのは、ミネラルオイルが皮脂と馴染まないことにあるのかもしれない。
一般的なクレンジングは皮脂と馴染むことによって毛穴の汚れなどをオイルと共に流す働きをするが、ミネラルオイルはその上を滑るだけ。
これが角栓ポロリにつながるらしいが、使用感は最悪だ。
そして一番不安に思ったのが、スキンケアが浸透しないこと。
そりゃミネラルオイルの保護力の高さで肌の上に膜を張るせいだが、スキンケア、効いてる?という不安が拭えない。
半信半疑で三日過ぎた頃、確かに毛穴の黒ずみや肌のキメの状態は以前よりも良くなった気がする。
それに、乾燥が無く、お肌が常につるん、としているからびっくりした。
開始1週間で挫折しそうになる

お肌の水分量も申し分なく、毛穴の黒ずみも薄くはなったがどうしても目に入るのが鼻回りの角栓である。
こすってはいけない、という最重要任務を課しているせいでもあるが白いものが無数に飛び出そうになっており、ファンデーションを上から塗ると、表面がもこもこして年増ババアのような肌質になってしまうのが悲しい。
これは無理だと思うも、ネット上にはこれを超えれば美肌になるという何のエビデンスも無い記事を鵜呑みにして、さらに二週間継続した。
三週間ほどで出来物を発見する

開始して三週間経つ頃には、小鼻の角栓もほとんど無くなり、肌質がなめらかに。
しかし、鏡をみると左右の額の端っこ、こめかみの上あたりに計8個くらいの出来物が出来ていた。
中心が白く、潰そうとしても潰れない。痛くもかゆくもない。
白ニキビだと思いニキビ用の塗り薬を塗るが全く消えない。
ベビーオイル洗顔をやめてみる

とりあえず明らかに、ベビーオイル洗顔を開始してから出来たものなのでベビーオイルを中止する。
出来ものも、正体が分からぬまま1か月経ち、何をしても治らないので皮膚科へ行くことに。
稗粒腫と診断される

皮膚科で医師にニキビが治らないと伝えると、これはニキビで無く「稗粒腫:はいりゅうしゅ」ですと言われる。
- 稗粒腫は原因の特定が難しく分かっていない事が多い
- 目の周りなど皮膚の薄いところに出来やすい
- 年齢の関係でターンオーバーが乱れると、毛穴に詰まった角質などが排出されにくくなり、稗粒腫となることがある
- 油分の多いクリームなどを皮膚が薄く汗腺が発達していない部位に塗ると詰まってしまい稗粒腫となることがある
- 稗粒腫が出来てしまうのは体質による
- 治療法は針で刺して取り除くか、レーザーで焼くか
- またはピーリング入りの石鹸などで角質ケアしながらターンオーバーを促す
ちなみに、針で取り除いたりレーザーするのは痛いらしい。
また、レーザーは美容皮膚科の範囲なので保険適用外と言われた。
クリニックによるが、一部位五千円くらいするらしい。

私の場合、皮膚の薄い?こめかみ辺りのターンオーバーが乱れているせいか、ベビーオイルが残って出来物を作ってしまった可能性が。
他の小鼻や頬は綺麗になってきていたが、油分の出やすかったり毛穴の詰まりやすい部分は泡洗顔をした方がよかったのかも。
ベビーオイル洗顔にはデメリットもあり

結果、私は稗粒腫を作ってしまったベビーオイル洗顔を一か月ほどで辞めたが、ネット上にはベビーオイル洗顔の素晴らしき効果を感じて継続している民も多い。
これには、肌が乾燥している、インナードライだ、という方に比較的ベビーオイル洗顔が合うらしい。
私は混合肌であったため、油分の多い部分に出来物が出来てしまったのかもしれない。
また、ベビーオイル洗顔はメイクオフ後に油分が気になる場合は洗顔しても良いとあるので、きちんとW洗顔するのもありだとは思う。
デメリットは下記。

肌質によってはベビーオイル洗顔のデメリットは皆無。
だから、ここまで賛否両論に別れてしまうんだと痛感。
ベビーオイル洗顔が合う人・合わない人

- 乾燥肌
- インナードライ・ビニール肌
- 毛穴目立ちが気になる人
- 洗顔・クレンジング後に肌がつっぱる人
- 敏感肌でかゆみが出たりスキンケアがしみる人
- 皮脂崩れ防止系の下地、ファンデを使っている人
- 洗い上りのさっぱり感が好きな人
毛穴目立ちが気になる人で、今まで何をしても毛穴が改善しなかった人はまずベビーオイル洗顔を試してみてほしい。
毛穴目立ちの原因が、スキンケア・洗顔のし過ぎによって起きていた人でベビーオイル洗顔を始めたら毛穴が気にならなくなった、という声は意外と多い。
また、皮脂で崩れないさらさら系の下地やファンデを使っている人はベビーオイル洗顔で完全にオフするのが難しい場合があるので避けたい。
ファンデがオフしきれていないと、逆に毛穴が詰まる・ニキビが出来る等の肌トラブルが勃発してしまうので、クレンジングとメイクの相性は見極める事がまず重要。

ベビーオイル洗顔の洗浄力はかなりマイルド。
だからそもそもメイクが濃い人には不向き。

また、混合肌タイプは油分の多い顎周りや額は洗顔料でw洗顔するなどの工夫をするべき。
私も、こめかみの油分の多い部分だけW洗顔していたら稗粒腫が出来ることも無かったかも?
余談:個人的には油脂系クレンジングがおすすめ

ベビーオイル洗顔で得られる効果は大きい。
しかし、実際にデメリットを感じた私が行きついたのは油脂系クレンジングである。
詳細は下記を見てほしい。
スキンケアに正解不正解を判別するには非常に難しい。
私たちの肌質は表面のみならず、普段の睡眠時間や食事生活等のライフスタイル面でも大きな影響を受けるからだ。
スキンケアを変えれば事態が好転することもあるし、そうならないことももちろんある。
お肌に関しての研究はされているが、美容に関しては未だ分かっていない事の方が多い。
何が合うかは選択の連続次第。良ければ続けて駄目なら変える。それしか進む道はない。健闘を祈る。